<ご報告>島根県の海士町へ移住します。


(出発進行!フェリーで行きますよ、離島ですから!)
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まいど! いきなりですが、寒いんすけど!
夏から冬が急すぎやしないかと毎年思ってるのですが、何とかなりませんかね。
まぁいいや、そんな長い夏のことと、これから来る冬の話です。

こういうのって、結論から言った方がいいんですよね。
わたくしごとですが、12月から島根県の北に浮かぶ『海士町(あまちょう)』という離島に移住することになりました。(思わず手に力が入って太字にしてしまいました)

まだ東京で消耗してるの?』とか言ったりしません。笑
言ったりしませんが、ここに至るまでの経緯は書いておこうと思います。
半分は皆さんへの「いってきます」のご報告、もう半分は自分自身の記録です。


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この夏、僕は12年続けた仕事を辞めまして、独立しました
大学生よりも下の世代に向けて何か事を興そうと、いろんな方々に会いに行きました。僕が真っ黒に日焼けしていたのは、外に出て色々な人たちに会いに行ったからであり、決してワイハのビーチでスクリュードライバーを飲んだくれていたからではございません。

「まずは子ども向けのワークショップをやってみよう」と決め、夏に実験的に10個くらいのワークショップを開催し、実際に子どもたちの前に立ってみました。実験的な場であったにも関わらず、多くの友人たちが協力してくれ、そして参加してくれました。僕はそれが本当に本当に嬉しかったです。改めて、この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうね。

やってみて、いくつか思うことがありました。
ひとつは、やはり子どもたちは社会の宝であり、僕がこれまで携わって来た大学生よりも余白があって、のびしろがあって、これはますますやるべきだぞ!ということ。
もうひとつは、ただ単発のイベントを打ちまくっても、思い出づくりにしかならないなぁということ。単発のイベントに意味がないとは思わないけれど、もう少し「点」ではなく「面」で関わらないと、そこから脱却できないな、ということ。

で、『じゃあ「面」で関わるにはどうしたらいいんだろう』ということを考え始めた時に、タイミングよく海士町からとても魅力的なお話しをいただいた次第です。


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僕と海士町との出会いは、実は随分前になります。
大先輩である豊田庄吾さんから『けーちゃん、俺、海士町っていう島に行くことにしたよ』と聞いたのが、僕と海士町の最初の出会いです。5年とか6年前の話です。

それからちょくちょくメディアを賑わしていた『教育の海士』は僕の心を揺さぶりもしましたが、なんだかんだで行くには至りませんでした。そのときは明確に『地方よりも海外!』と思っていたのかもしれません。ちょうどバングラデシュのプロジェクトをはじめたのもこの頃で、きっとそう思っていたんだろうなぁ、と。

自分の事業をはじめるにあたって、ふと「庄吾さんにも話を聞きに行こう」と米子行きのスカイマークに乗り込んだことが、今思えば、物語のはじまりです。
目的は庄吾さんに会いに行くことだけで、ほぼノープランでしたが、もし可能ならば海士町の教育のキーマンと聞いている岩本悠君と財政課長の吉元さんとも会って話せたら嬉しいなぁと思っていたところ、島に到着してからわずか30分で、そのメンバーと船で海に出るというラッキーハプニングもありました。
今になって思うのですが、本当にこういうことが平気で起きるのが海士町の魅力のひとつなんだろうと思います。僕みたいな観光客が町長とお話しできるだけでもありがたいことなのに(しかも僕はTシャツだし…)、そのあとでスナックでばったり会って一緒にお酒が飲めちゃう、とか。

そして、帰りのフェリーでたまたま(意図的?w)一緒だった岩本悠君と船の上で2時間近く話し込み、ちょうど彼が考えている「これからのこと」と、僕が考え始めた「面」の話の多くが同じ方向を向いていたということと、やはり公教育の現場で挑戦しながら働けるということが、海士町行きを決めることになった大きな理由です。


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『地方って余白がたくさんあって面白いかも。』
今はそのくらいの気持ちです。まだまだ知らない魅力がたくさんあると思うし、まだまだ体験していない苦労もあると思うので、『東京なんてダメ、これから地方だぜ!』なんて言うつもりも全然ありません。そもそも僕は故郷である東京を超絶愛しています。空が狭かろうが空気が汚かろうが満員電車が死ぬほど大変だろうが、そういうことを含めたって、東京ラブです。

この夏は海士町に行き、その後バングラデシュに行きましたが(その前には山形県飯豊町にも行きましたね)、そのあたりから『Think global, Act local』より、『Think local, Act global』の方が面白いことが起こりそうだなと思っていました。もちろんどっちも大切なんですけど、きっと僕の中に小さな変革が起こっているのだと思います。

あれ、そういえばあんたワークショップはもうやらないの?という質問もいただきましたが、ひとまず海士町でのプロジェクトに集中したいとは思うものの、必ずI'll be backしたいと思っています。
というか、海士町でできることの想像が止まりませんで、どのタイミングで仕掛けようかな…なんていう個人的な企みもあります。(それはおいおい)


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いま、とってもいい感じにワクワクしています。
『冷静と情熱の間のだいぶ情熱寄りの冷静』という感じです。笑
多少の不安もないことが若干不安ではありますが、海士での新しい出会いや、経験したことのない田舎での暮らしや、うまくパスが回っているスーパーチームの後押しをするような仕事が、それはそれはとっても楽しみです。

改めて思うのは、勇気を持って一歩進んでみることの大切さです。
前職を辞める時は『少しくらいは辞めたことを後悔するかもしれない』と思っていましたが、後悔どころか、うしろを振り返っているヒマもないくらい、新しいドアがどんどんじゃんじゃんバリバリ開いていきます。そして、きっと島でまた新しいドアがばんばん開いていくのだと思います。そう思うとね、もうじっとしていられない…笑

どちらかと言うと、海士町に行ったら思いっ切りやるぞ!というよりも、まずはゆっくり丁寧にやっていきたいと思います(それが許されるのであればですが…笑)。都会センスを振り翳すことより、いなかセンスをリスペクトしてまずは現地にしっかりと溶け込むことを大切にしたいなと思います(現地に溶け込むのは結構好きなのです)。

そして、いつの日か必ず島の皆さんや島に関わる皆さん、そして何よりも子どもたちに喜んでもらえるような仕事をしようと思います。


海士町の皆さん、これからどうぞよろしくお願いします。
いろいろご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、何卒、です。

東京周辺の皆さん、必ず海士町に遊びにきてください!お待ちしてます!
2,000人ちょっとの『ないものはない』小さな島にものすごくたくさんの財産があると思います。皆さんと島でお会いできること、楽しみにしてます。


では、いってきます!


P.S. 出発は11月下旬の予定です。