『男性の(俺の)家事進出』について


(以前、島のお母さんに手とり足とり…結局つくってもらった魚の煮付け)


皆さまご無沙汰しておりまーす! お元気ですかー?
先日あまりに衝撃的なことがありまして、筆(というかキーボード)を取る次第。

海士町に移住してから1年、再婚してから早くも半年が経ちました。光陰矢の如し、です。まさに。
先日、出張中に妻から「夫婦としてあなたは私に何を望むのか?」という主旨のメールがLINEで届きました。僕としては率直に『あんまりないかな。大切な局面できちんと話し合いができることと、お互いがお互いの人生を尊重できることくらいかなぁ(原文ママ)』と返信。まぁでも、出張中だし、あまりいい予感はしません。笑

出張から戻って(船が2日も出なかったのですよー)、改めてゆっくり夫婦で語る時間を設けてみました。実は数カ月前に古市憲寿氏の『保育園義務教育化』という本を読んでおり、女性の社会進出(そんなに大げさなものでなくても)について真剣に向き合わなくては、と思うようになったことも大きな要因のひとつです。一人の旦那としても、一人のプロマネとしても。

彼女の話しをざっくり要約すると、仕事をしながら家事をすること(主にこの日は晩ごはんをつくること)は思いの外大変である、結婚してから私は以前より家のことを気にしながら仕事をするようになった、それに比べてあなたは存分に仕事に集中している、それについてはどう思うか、という内容でした。もちろんもっともっと柔らかく聞いてくれましたYO!

お恥ずかしながら、僕の実情を正直に告白しますと、結婚してからの家事は食器洗いとたまの洗濯とトイレ掃除、ほんのたまに掃除機をかけるくらい。そして食事の準備はまったくのゼロ。いつの間にか妻に任せっきりになっている自分がいました。どうか何卒炎上しないでほしいのだけど、それが結婚のひとつのメリットとすら考えている自分がいました。ご、ご、ごめんなさい!

ここで改めて古市さんに本当に感謝なのですが、本に書いてあることがほんとそのまんま妻の口を通して目の前に発現しました。そして、これは自分の態度と姿勢を改めるチャンスだと一念発起し、彼女と約束をしました。


『家事(主に晩ごはん)を1週間ごとの交代制にしよう』


超絶簡単な話です。一週間ごとに晩ごはんを交代制にしましょう、と。
当たり前にやってらっしゃる方も大勢いる中で、こんなことを書くのも本当に憚られるのですが、冷蔵庫の中身すら把握していない自分としてはちょっとした出来事でした。

僕は絶望的に料理ができません。
そんな僕に人々は口を揃えて『は? クックパッドとか見ればいいじゃん』と言います。でもね、じゃあ反対に問いますよ、『適量』って何スカ?! サッカーで言う『適度な強さのインサイドキック』みたいなもんすよ、そんなん。そういうのがさっぱりわかりません。サッカーをすると『チームに迷惑をかける』みたいに思う人がいるかもしれませんが、僕はまさに『料理をすると逆に妻に迷惑がかかる』と思っているのもまた事実です。
まぁ、いいんですよ、とにかく古市さんのおかげで一念発起。やってみることにしました。(古市さんとお友達の方がいらっしゃれば、焼肉くらい奢りたいと伝えてもらえますか?)

で、月曜日です。早速僕の当番週が回ってきました。
前日の夜に、冷蔵庫の中には豚肉とキャベツ、大根、人参、じゃが芋が入っていることを確認しました。人によっては『何でもできるだろ、ボケ!』となるでしょうが、僕はカレーくらいしか想像ができません。でもいきなりカレーで「あぁやっぱりね…」とガッカリさせたくありません。そんなことを考えていたら眠れなくなりました。笑

さて、朝です。
職場に到着して、昨夜から同じようなことを考えていたら、ぜんっぜん仕事に集中できない。

「どれくらいお腹を空かせて帰ってくるのかな」、「つーか、そもそも何時に帰ってくるのかな」、「そもそも俺って何分あれば料理できるんだろう」、「おい、待て!まずは何をつくるか考えた方がいいだろ!」、「えーっと冷蔵庫の材料何があったっけ…」みたいな一人脳内会話(永遠ループ)をし続け、同僚の話がまったく頭に入ってこない。(ごめんなさい)
夕方にはほとんど『早く帰って準備しないと…』で胸が覆い尽くされました。

衝撃的な腹落ちでした。こんなに衝撃的に腹落ちするのははじめてかもしれません。正確な数値とかデータとかわかりませんけどね、家事(と育児)の多くを担いながら共働きしている世の女性って結構多いでしょ。その人たちってきっと毎日こういう感覚なんだろうな、と。(もちろんね、料理がちゃちゃっとできちゃえばそんなに毎日激動じゃないと思うし、それが好きだからほっとけよ!って人もいるだろうけど)

『忙しい』から『家事ができない』って応えている男性のアンケートを見ましたが、これって女性からみると『は?』でしょうねぇ…。嗚呼ごめんなさい。

自分の中では『女性の(妻の)社会進出』じゃなくて(そもそもとっくに社会に出てるしw)、『男性の(俺の)家事進出』とかに言葉から変えないとダメだな、と。
自分のように『教育』に携わる人間は、本当にこれからこういうことを自分でやっていかないと説得力なくなるよな、と。正直なところ、「は? もう説得力ありませんよ?」と言われても反論できない。これから『態度で示していく』しかないなぁと思います。

うちは結婚したばかりでまだ子どもはいないけど、子どもが生まれたらきっともっと変わるんだろうなと思う。その時に向けて、いまたくさん失敗しておこうと思います。

この日、僕は『豚とキャベツのミルフィーユ煮』と「ほうれん草と大根の味噌汁」をつくりました。胸を張って旨かったと言えます。出汁の粉と砂糖の色が同じで味噌汁に砂糖入れたけどね。(ほっといてくれ!)
でも、何より『人がつくったものはやはりおいしい』と言って、喜んでくれる妻を見て嬉しくなりました。(「おいしい」って口に出すことの大切さも身に沁みてわかるわけです)

最後に、男性の皆さんへって超絶上から目線でメッセージを残そうかと思いましたが、まだ数日しかやってない僕からはとくにコメントはございません。笑
食事は私、洗濯はあなたって分担してやっている人もいるだろうし、私は家庭、あなたは仕事って決めている人たちもいると思うし、それはそれで別に正解とか不正解とかないと思うのです。私が100であなたはゼロでも納得できればそれでよし。こういうのは当事者同士の話し合いの『納得』の問題であって、誰かが誰かに強制するものでもない。
ただ、僕のように無自覚にそうしてしまっている男子の皆様には、代わりに日経の記事を貼っておきますのでぜひご一読いただければと思いますよ。

「たった数日でよく書くよね」と隣で妻も呆れておりますが、これはひとつの宣言でもあります。1年後、このエントリーを見て、「レパートリーが増えたなー」っていう日が来るといいな。

その日を夢見て明日はカレーをつくります!(結局カレーか!w)

飛んでみなけりゃはじまらない!


とんでみなけりゃはじまらない!

大変ご無沙汰しております。お元気ですか?
まぁほとんど言う必要もないと思いますが、わたくしは超絶元気です。食事に睡眠の質の改善、そして幸福度の向上などもあり、ここ数年で心身ともにとってもいい状態にあるような気がします。なんせ腹が減る。

さて、こちらでは随分ご無沙汰しておりますが、前にもご紹介しました通り、最近は連載を持っており、そちらでしこしこと文章を書いております。なかなか期限を守れずに編集部の皆様にはご迷惑をおかけしておりますが、何とか紡いでいきたい次第。

ここまでの自分の記事を読み返してみると、田舎暮らしをはじめた自分がいかに『自覚的』に生活を送っていることがよくわかります。やはり書くということは必要なことなのですね。書いてみてはじめてわかることがたくさんあります。

もしよろしければ、下記ご参照ください。

『ORDINARY 自由に生きるための道具箱』
 http://ordinary.co.jp/series/8970/

とんでみないと本当に何もはじまらない。逆に言うと、とんでみると何かはじまるかもしれませんね。せっかく新春が来るこのタイミングで皆さんもとんでみては?!

んでは!

新年、あけましておめでとうございます!


(2015年の元旦は猛吹雪でした…)


新年あけましておめでとうございます。
2015年のはじまりは帰省せず、海士町で迎えております。

元旦は朝からスーツでキメて『元旦祭』という地域の氏神様に『玉串奉奠(たまぐしほうてん)』に出向き、そのまま地域の方々と『直会(なおらい)』に。どうやら近所の元旦祭に若い衆が参加したのは久々とのことで、70オーバーの強者どもに散々酒を注がれ飲み干し、注がれ飲み干し、昼過ぎには前後不覚に。笑
解散かと思いきや、そのまま近所にお招きされ、『独身者はおせちも食べれないだろうから』と腹がはち切れるほどおせち料理をいただき、すみません、もうこれ以上は喰えません…というタイミングでお雑煮が出てくるなど、なかなかファンタスティックな元旦に。
いろいろな周りの方々に支えていただきまして、下手したらひとりぼっちだったかもしれない元旦を家族のように迎え入れていただき、おかげさまでありがたい年明け初日となりました。つくづく、自分一人では何もできないなー、と実感。

翌2日は、朝からこれまたスーツでビシッとキメて町長宅へご挨拶に。
『あけましておめでとうご…グビっ』、『本年も何卒よろし…グビっ』というような日本酒ラッシュを経て、無事に町長はじめ町のキーマンの皆様にご挨拶。よそ者に自己紹介の時間をいただいたのがありがたかったなぁ(弟分と紹介してくれた庄吾さんにも本当に感謝!)
終了後はそのまま課長宅へ。課長も僕らも思いっ切り泥酔でしたが、泥酔している時の本音でも主語が『日本』になったり『社会』になったり、本当にこの人たちと働けてラッキーだなぁと思う次第。

***

それで、今年はどうしよう、という話し。
去年は仕事も辞めて、移住もして、人生の中でも大転換・大変革の年でした。
今年はどうしようかなぁと考えましたが、まずは『今年』という単位で動くことを止めようと思います。理由はいくつかありますが、今年だけで結果が出ることはさほど多くないだろうという理由が大きな部分を占めます。もちろん、細かな目標はあるし、その結果が出ることもあるかもしれませんが、結果を出すことだけが価値ではない、というセンスに寄り添ってみるというひとつの挑戦でもあります。

でも、向こう3年を見渡せるか、というとそこまで視界良好ではありません。
こちらに来てまだ知らないことも多くある中で、3年後の目標を今定めるのもいまいちな気がしています。なので、向こう3年の行動指針をつくろう!というのが、年末年始に考えたことです。

まずは海士町での向こう3年を『守・破・離』にしようと思います。
当たり前すぎてすみません!という気もしますが、今年は様々な人やことを通して、地域に存在する無数の型にできるだけ多く触れたいと思います。『守』と書くとディフェンシブなイメージを持たれるかもしれませんが(そもそもあんた守れないじゃん!とか言われそう…)、「教えを正確かつ忠実に守り、物事の基本の作法・礼法・技法を身につける「学び」の段階」と考えてもらえればいいのかなぁと思ってます。

仕事以外のプロジェクトではそれぞれに目標を持っておりますが、個別の公表はしません。まぁあまり個別にやっても仕方ないなぁと思っているのですよね、そういうのって。
正直に言って、遠く離れてできないことが増えましたが、そういうのを乗り越えてこその我々だろうとも思っています。
そういう意味では東京に残してきたプロジェクトは、『破』の段階にあるのかもしれません。とにかくこちらでできることを精一杯やります。ひとつだけ踏み込んで言うと、高校生をバングラデシュに連れて行く、というのは達成したいなぁ。
皆さん、ますますよろしくお願いしますね。

ということで、今年の海士町での行動指針は『守・破・離』の『守』です。
どうぞよろしくお願いいたします。

移住してみてどうすか?


(日常がこういう風景とともにあることをとても幸せに思う。)


こんばんちはー。ファーストラブレターフロム海士町
ということで、無事に到着し、荷物も届き、そして仕事もはじまりました。

待ちに待った海士町での仕事!でしたが、ここ2日は雪混じりの暴風で船は欠航、学校は休講、お店は閉店で、いきなり洗礼を浴びております(笑)。きちんと自然と向き合いなさいという教えなのでしょう。がんばります。

さて、移住してみてどうすか?という話ですが、今のところとくに不便なく暮らしています。コンビニがないのと、夜早くに商店が閉まってしまうことに『慣れ』が必要なくらいで、(ちょっと物価が高いけど)思いのほかモノもあるし、想定の範囲内です。
でも、それもこれも『たぶん明日も船が欠航だからいろいろ買っておきな』と周囲の皆さんのアドバイス/サポートあってのことでござります。本当に感謝です。

さてさて。
驚いたというか、本当にそうなんだなぁと思ったのは、生活費がほとんどかからないということ。僕は今は町有のシェアハウスにいるのですが、家賃は1.8万円です。
1.8万円っていうと場末の汚いゴキブリだらけの部屋をイメージされるかもしれませんが、僕がこれまでも、そしてこれからも住むことのないような大豪邸に住んでおります。部屋が8部屋、トイレが3つ、お風呂が2つあり、敷地内に御洞があるなど、文句なしの大豪邸。(ちなみに、一軒家でも家賃は2万円台だそうですよ、奥様!)


(この大豪邸に今のところ3人で住んでおります…。寒い…。)


そして、同様に本当にいろいろなモノをご近所からいただけます。
近所の商店(兼お豆腐屋さん)にご挨拶に言った際には、「はいこれ、うちの豆腐はうまいけん、もっていき!(方言部分は不確か)」とお豆腐(1丁と言っていたけど、あれは2丁)と厚揚げを大量にいただきました。

その翌日は、大阪から40年振りにUターンで戻られたお隣さんご夫妻にお呼ばれし、『サザエじゃが(肉じゃがのサザエ版)』、アワビやイカの刺身、サザエの炊き込みご飯をたらふくいただき、そして『ねぇ、これさ、わざと余らせるように大量につくりましたよね?』ってくらい大量の『残り物』をいただきました。(あのね、マジでうまくて文章では表現しきれません…)

そしてそして、その翌日は定食屋のお兄さんに海釣りに連れて行ってもらい、と言っても港から糸を垂れるくらいのもので大した成果も期待していなかったのですが、なんと40匹ものアジやカサゴが釣れまして、近所の海からも幸をいただきました。何と言いましょうか、大変ありがたい限りです。


もうひとつ思ったこと。本当に若者が必要とされているなぁということ。
時期が年末ということもあり、どこに行っても『年末27日の餅つきは来れるか?』という話が持ち出されます。区長さんにも組長さんにも道行くおじいさんにも。
『はい!伺います!何でもやります!』と言うと、皆さんお喜びになられます(笑)。でも、これってとっても嬉しいことじゃないですか。お年寄りが不安になっていることを僕が『若い(しかもそんな若くないw)』というだけである程度解決できて、重宝がられます。ここで活躍せずにどこで活躍するんすか、俺!
活躍できる(と思う)土壌があることって、意外と重要なのではないかなと思います。『若い人でやることがない人は思い切って地方に行けばいい』論調もありますが、あながち間違いではないかもしれません。

まぁまだ着いたばかりでして、いい面もわるい面も引き続き『経過観察』が必要ですが、第一印象というのを僕としては大事にしてまして、僕はすっかりこの島のことを気に入ってしまいました。
ここから、この島、この島の人たちにどうやって貢献して行けるか、どうやって自分のことを気に入ってもらうか、そんなことを意識して毎日を朗らか楽しく健康的に過ごしていこうと思います。

ということで、長くなりました。
また書くねー。バイビー。

一生を棒にふって、人生に関与せよ。


photo credit: stevendepolo via photopin cc
(ほんなら、いってきまーす!)


どうも、こんにちは。お寒うございます。
いよいよ東京生活も残すところ1日となりました。そうなんです。光陰矢の如し、タイムイズマネー、「あっ」という間、です。

2週間前くらいから『島にはつけ麺屋がない』という事実を思い出し、毎昼につけ麺を喰らってお別れモードに入ろうと試みておりましたが、この2週間でお別れどころか、気づけばGoogle先生に『この界隈のおいしいつけ麺屋は?』と聞く始末で、完全に中毒化しております…。逆につらくなるのではないかという…。

先日、自ら主催いたしました『行ってきます会』には、総勢60名以上の方にお越しいただき、大変盛大に送り出していただきました。本当にありがとうございました。懐かしい面々からつい先日お友達になっていただいた新しい面々まで、本当にすばらしい友人たちに囲まれて、僕は本当に幸せ者です。
そして、スタッフとして動いてもらったstart to [ ] の面々には改めてこの場を借りて感謝申し上げます。どうもありがとう。

その昔、20歳の時に手相占いをしてもらったことがありまして、そのときに占い師から『あなたは生涯『人』に恵まれる。そしていろんな面で超強運。』という2つのことを言われまして、今から思えばあの御仁に5万円くらい払ってやればよかったかな、と思います。

さて、間もなく出発ということで、仕事を辞めてからここまで(約4ヶ月)を振り返ってみて、自分自身への自戒も込めて、いくつかのキーワードを残しておこうと思います。


1. 時間は有限である。
ついつい当たり前すぎて忘れがちですが、時間は有限です。
僕は自分の人生を70年と勝手に定めているのですが、あと35年しか残されていません。これまでいくつかのプロジェクトを手掛けてきましたが、ひとつのプロジェクトが本格的に自走しはじめるまでに『3年』はかかった記憶があります。複数を同時に走らせることも可能ですが、ひとつひとつを丁寧にしっかりやろうと思うと、あと10個しか成し遂げられません。そんなまさか…ですが、本当です。
家族との時間も同じです。毎年、両親には5回くらいは会っていますが、両親があと20年生きるとすると会えるのはたったの100回です。毎月会いに行ったって、240回。
そう思うと、今、自分がやっていること・やろうとしていることは、本当にやるべきこと・やりたいことなのか、と考えてみるのもいいかもしれません。きっと子どもとか生まれると、また考え方が変わるんだろうなぁ。楽しみ。


2. 選択を『捨てる』ことからはじめてみる
選択というと、つい『選ぶこと(取ること)』と考えがちですが、『捨てること』からはじめてみるのもいいかもしれません。とは言え、むやみやたらに捨ててしまうと、本当に大切なものまで手放してしまう危険性がありますが、今『手中』にあるものを一旦置いてみると、その分で持てるものが増えるというのは本当です。
僕の中では一番大きかった『仕事』を置いてから、ここまで得られたものは本当にその分大きなものでした。まぁでも、いきなり仕事を辞めちゃうのもなんですから、まずはおうちの『断捨離』あたりからはじめてみるのがいいんじゃないでしょうか。あとは関係性の『断捨離』とか。意外とね、人と自分との関係性を見直すといいことありますよ。(意味深w)


3. やりたいことが明確でない時は『貯金』しておく
前にテレビでスガシカオさんが言っていたことの受け売りなのですが、やりたいことが明確でない時は『貯金』しておくというのは、僕にとっても非常に有効でした。
いわゆる充電期間ってやつですね。僕はどちらかと言うと、動きながら蓄電していくタイプなのですが、じっと家で過ごす時間があってもいいと思います。人間は動物として『目の前で動くもの』に目を奪われがちですが、自らの中に沸き起こる動向に想いを寄せてみる時間も必要だと思います(僕にももちろんそういう時間があります。信じてもらえないけどw)。
貯金というと、主としてお金のことと考えがちですが、僕の場合は『関係性の貯金』も含まれます。稼げなくて困った時や、『素敵なカメラマンを紹介してもらいたい』なんて時など、本当にこの5年間での『関係性の貯金』が有効なことが多々ありました。いや、むしろこれがなかったらここまで至らなかったことは間違いありません。本当に。
『やりたいことがない』なんて人は、『やりたいことは貯金』と言い切ってみるのもひとつ手かもしれません。


4. 最初は無計画でもいいからとにかくやってみる(で、失敗は反省する)
航海や登山は事前の計画がほとんどすべてと言っても過言ではないと言われていますが、別に僕らの人生は航海でも登山でもありません。
『やってみたい』と思うことは、死に直結するような危険なことじゃない限りは、まずはやってみればいいと思います。その結果、失敗することになるかもしれません。10万円の赤字になったり、大量の在庫を抱えてしまったり、誰かに嫌われることになってしまったり。まぁでもそんなことはたいしたことではありません。10万円は誰かに借りて補填すればいいし、在庫は友達にあげれば喜ばれるし、人に嫌われたら謝ればいいし、許してもらえないなら友達をやめればいい。
むしろ、失敗は成功の種でもあります。もう一度やり直せばいいと思う。ただ、反省をすることは重要です。反省して、そこから何を学ぶか。失敗したのに反省できない人は、きっと何をやってもうまくいかないと思います。残念ながら。
やってみて、失敗してみて、それではじめて事業計画の重要性に気づけば、同じ失敗はしないんじゃないかなぁ、と。最初から事業計画が書ける人は書けばいいけど、そんなものはどんどん変わっていくので固執すると逆に失敗するような気もしますしねー。


5. 思い切って決断する
『決める』ことってめちゃくちゃ重要です。これも当たり前すぎるな。笑
独立することになって、色々な人から色々な質問をされましたが、ほとんどの問いは『それってあんたの決めの問題じゃない?』って回答で済んでしまうものでした。
例えば、『安定を捨てることは不安じゃないのか』。そんなもん不安ですよ(笑)。僕も一応こう見えても人間だし、それなりに年収もよかったし。でも、同じくらい『自分の人生これで終わってしまっていいのだろうか』という不安もありました。なので、同じ不安を取るなら前向きで冒険的な方がいいなと、『安定した生活を捨てて不安になる』ことに決めました。
これっていつまで経っても悩める問題じゃないすか。極端な話、その日のバイオリズムによって『安定』を取る時もあれば、少し酔っぱらって『冒険』を取りたいことだってある。だからいつまでもきっと答えなんて出ないんすよ、決めの問題で。だから悩む訳で。
ってことで、決めましょう。まずは今日の晩ごはん決めましょか。
ちなみに『冒険』を選んだって、悩みがなくなるなんてことはないっすからね。行くも天国、戻るも天国と思って、とにかく決めて進めましょ!


上にも書きましたが、これ、ほとんど自戒です。
海士町に行くことはゴールではなくて、スタートであることを意識したいと思っています。そして、そのスタートにもいつかゴールがあるということも。
高村光太郎が『冬の言葉』という詩の中で、『一生を棒にふって人生に関与せよ』と言っていますが、今のタイミングの自分に贈るには最高の言葉だなとも思います。

一生を棒にふって、人生に関与せよ。

いいね。やってやろうじゃありませんか。

皆さん、本当にお世話になりました。これからもお世話になります。
少し距離は遠くになりますが、またお便りしたいと思います。

では、また近いうちに。お身体ご自愛くださいませ。
いってきまーす!

トークセッションでおしゃべりします!


(今回は、出発直前のイベント告知なりー!)


毎度!今回は思いっきり告知でーす!

これまで『いろんなことに挑戦してスタートする人』のヒントになるよう「ほんのちょっとだけ前を行くフロントランナー」との対話をお届けしてきましたstart to [ ] のトークセッション。
はじまりのきっかけやそのときに大切にしていること、悶々とした失敗談など、その人の物語の”スタート”にまつわる話を聞くことで、たくさんのヒントをもらってきました。そういう方々の話を聴いてきて、一貫して感じたのは、その人がちゃんとその人の言葉を持っていること、そしてとても健やかで前向きであること、です。

改めて、自分で一歩を踏み出したからこそ見える景色があるのだなーと思うと同時に、そんな景色を見る人たちを一人でも増やしたいじゃないか!その方が楽しいに決まっているじゃないか!と思う自分もいます。

そんな素敵な前置きをしておいて恐縮なのですが、今回のゲストはこの僕です。
(あー、もうほんとすみません!!お許しを!!笑)

自分がゲストのトークセッションの告知をすることの恥ずかしさったらないのですが、考えてみれば、海士町出発まであと3週間。『まさにスタートを切ろうとしている人』という括りでは、うってつけじゃないか自分!とも思ったりしています。


タイトルは『start to (small) change!』だそうです。
(「だそうです」ってのも変な話ですがw)


僕自身は、この『 (small) 』に醍醐味があるように思っています。
『change!』って言うと、会社を辞めるとか、地方に移住するとか、何かそういう大それたことをしないといけないような風潮があるように感じていて、もちろんそれはそれで素晴らしいのですが、僕としてはそんなことは大小関係ないよなーと思っています。
僕は確かに会社を辞めて、島根県の離島に移住することにして、それはそれは今の生活から比べれば大きな『Change!』ではあるのですが、そこに至るまでに繰り返した『(small)』な悶絶や自問自答、ちょっとした変革や実際に挑戦してみたことに価値があると思っています。結果よりも過程というか、そのことをいつもより具体的にお話しできればと思っています。

今回は、一方的に僕がしゃべっておしまいのトークセッションではなく、参加してくださった皆さんからもぜひお話しをお聞きしたいと思っています。いろいろな人の『(small)』を寄せ集めれば、大きな変革(change!)が起こるかもしれません。一人ではできないことでも、何人か集まればできる、ということもあるかもしれないし。

『今の自分はとくに何かをスタートしたいと思っていない』という方や、『自分はスタートしたいと思うことがないんです!』という方もいると思うのですが、そういった皆さんも大歓迎しちゃいます。なぜなら、そういう皆さんは『スタートしたいと思っている人の一番のサポーターになってくれる可能性』があるからです。

はっきりとしたスタートを切ることにこだわるのではなく、「そういう人を応援したい」ですとか、「そのスタートの瞬間に立ち会ってみたい」ですとか、そのくらいのリッラクスした心持ちで参加してもらえるといいのではないかと思います。

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【日 時】11月15日(土)13:00〜17:00
【会 場】リトルトーキョー(港区愛宕1-2-1)
【定 員】14名(先着順)
【参加費】4,000円
【対 象】スタートの瞬間にいる人
     その瞬間に立ち会いたい人
     スタートのきっかけをつかみたい人
     どなたでも!
【内 容】チェックイン
     トークセッション:大野佳祐(海士町出発直前!)
     ダイアローグ
     チェックアウト
【申 込】info[アット]startto.infoまでメールにてお申し込みください。
     題名を「halfday workshop参加希望」とし、本文にはお名前と
     当日の緊急連絡先電話番号を記載してください。

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じっくりお話しできるよう、今回の定員はいつもより少なめの14名です。
皆さんの奮ってのご参加、お待ちしております!

<ご報告>島根県の海士町へ移住します。


(出発進行!フェリーで行きますよ、離島ですから!)
photo credit: Jorge Palanca via photopin cc



まいど! いきなりですが、寒いんすけど!
夏から冬が急すぎやしないかと毎年思ってるのですが、何とかなりませんかね。
まぁいいや、そんな長い夏のことと、これから来る冬の話です。

こういうのって、結論から言った方がいいんですよね。
わたくしごとですが、12月から島根県の北に浮かぶ『海士町(あまちょう)』という離島に移住することになりました。(思わず手に力が入って太字にしてしまいました)

まだ東京で消耗してるの?』とか言ったりしません。笑
言ったりしませんが、ここに至るまでの経緯は書いておこうと思います。
半分は皆さんへの「いってきます」のご報告、もう半分は自分自身の記録です。


***


この夏、僕は12年続けた仕事を辞めまして、独立しました
大学生よりも下の世代に向けて何か事を興そうと、いろんな方々に会いに行きました。僕が真っ黒に日焼けしていたのは、外に出て色々な人たちに会いに行ったからであり、決してワイハのビーチでスクリュードライバーを飲んだくれていたからではございません。

「まずは子ども向けのワークショップをやってみよう」と決め、夏に実験的に10個くらいのワークショップを開催し、実際に子どもたちの前に立ってみました。実験的な場であったにも関わらず、多くの友人たちが協力してくれ、そして参加してくれました。僕はそれが本当に本当に嬉しかったです。改めて、この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうね。

やってみて、いくつか思うことがありました。
ひとつは、やはり子どもたちは社会の宝であり、僕がこれまで携わって来た大学生よりも余白があって、のびしろがあって、これはますますやるべきだぞ!ということ。
もうひとつは、ただ単発のイベントを打ちまくっても、思い出づくりにしかならないなぁということ。単発のイベントに意味がないとは思わないけれど、もう少し「点」ではなく「面」で関わらないと、そこから脱却できないな、ということ。

で、『じゃあ「面」で関わるにはどうしたらいいんだろう』ということを考え始めた時に、タイミングよく海士町からとても魅力的なお話しをいただいた次第です。


***


僕と海士町との出会いは、実は随分前になります。
大先輩である豊田庄吾さんから『けーちゃん、俺、海士町っていう島に行くことにしたよ』と聞いたのが、僕と海士町の最初の出会いです。5年とか6年前の話です。

それからちょくちょくメディアを賑わしていた『教育の海士』は僕の心を揺さぶりもしましたが、なんだかんだで行くには至りませんでした。そのときは明確に『地方よりも海外!』と思っていたのかもしれません。ちょうどバングラデシュのプロジェクトをはじめたのもこの頃で、きっとそう思っていたんだろうなぁ、と。

自分の事業をはじめるにあたって、ふと「庄吾さんにも話を聞きに行こう」と米子行きのスカイマークに乗り込んだことが、今思えば、物語のはじまりです。
目的は庄吾さんに会いに行くことだけで、ほぼノープランでしたが、もし可能ならば海士町の教育のキーマンと聞いている岩本悠君と財政課長の吉元さんとも会って話せたら嬉しいなぁと思っていたところ、島に到着してからわずか30分で、そのメンバーと船で海に出るというラッキーハプニングもありました。
今になって思うのですが、本当にこういうことが平気で起きるのが海士町の魅力のひとつなんだろうと思います。僕みたいな観光客が町長とお話しできるだけでもありがたいことなのに(しかも僕はTシャツだし…)、そのあとでスナックでばったり会って一緒にお酒が飲めちゃう、とか。

そして、帰りのフェリーでたまたま(意図的?w)一緒だった岩本悠君と船の上で2時間近く話し込み、ちょうど彼が考えている「これからのこと」と、僕が考え始めた「面」の話の多くが同じ方向を向いていたということと、やはり公教育の現場で挑戦しながら働けるということが、海士町行きを決めることになった大きな理由です。


***


『地方って余白がたくさんあって面白いかも。』
今はそのくらいの気持ちです。まだまだ知らない魅力がたくさんあると思うし、まだまだ体験していない苦労もあると思うので、『東京なんてダメ、これから地方だぜ!』なんて言うつもりも全然ありません。そもそも僕は故郷である東京を超絶愛しています。空が狭かろうが空気が汚かろうが満員電車が死ぬほど大変だろうが、そういうことを含めたって、東京ラブです。

この夏は海士町に行き、その後バングラデシュに行きましたが(その前には山形県飯豊町にも行きましたね)、そのあたりから『Think global, Act local』より、『Think local, Act global』の方が面白いことが起こりそうだなと思っていました。もちろんどっちも大切なんですけど、きっと僕の中に小さな変革が起こっているのだと思います。

あれ、そういえばあんたワークショップはもうやらないの?という質問もいただきましたが、ひとまず海士町でのプロジェクトに集中したいとは思うものの、必ずI'll be backしたいと思っています。
というか、海士町でできることの想像が止まりませんで、どのタイミングで仕掛けようかな…なんていう個人的な企みもあります。(それはおいおい)


***


いま、とってもいい感じにワクワクしています。
『冷静と情熱の間のだいぶ情熱寄りの冷静』という感じです。笑
多少の不安もないことが若干不安ではありますが、海士での新しい出会いや、経験したことのない田舎での暮らしや、うまくパスが回っているスーパーチームの後押しをするような仕事が、それはそれはとっても楽しみです。

改めて思うのは、勇気を持って一歩進んでみることの大切さです。
前職を辞める時は『少しくらいは辞めたことを後悔するかもしれない』と思っていましたが、後悔どころか、うしろを振り返っているヒマもないくらい、新しいドアがどんどんじゃんじゃんバリバリ開いていきます。そして、きっと島でまた新しいドアがばんばん開いていくのだと思います。そう思うとね、もうじっとしていられない…笑

どちらかと言うと、海士町に行ったら思いっ切りやるぞ!というよりも、まずはゆっくり丁寧にやっていきたいと思います(それが許されるのであればですが…笑)。都会センスを振り翳すことより、いなかセンスをリスペクトしてまずは現地にしっかりと溶け込むことを大切にしたいなと思います(現地に溶け込むのは結構好きなのです)。

そして、いつの日か必ず島の皆さんや島に関わる皆さん、そして何よりも子どもたちに喜んでもらえるような仕事をしようと思います。


海士町の皆さん、これからどうぞよろしくお願いします。
いろいろご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、何卒、です。

東京周辺の皆さん、必ず海士町に遊びにきてください!お待ちしてます!
2,000人ちょっとの『ないものはない』小さな島にものすごくたくさんの財産があると思います。皆さんと島でお会いできること、楽しみにしてます。


では、いってきます!


P.S. 出発は11月下旬の予定です。