T派? F派? それとも?


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(こんなにあると思うとぞっとするな、この世界)


Twitter派ですか? Facebook派ですか?」と若者に突然聞かれ戸惑う。
派閥には属していないつもりだったけど、どっちかと聞かれたら答えたい。

迷って「Facebook派ですね」と答えたまさかの自分に、自分で驚いた。
つい最近までT派だったはずなのに…。もう浮気…。

Twitterはたぶんだけど2年前から使い始めた。フォロー700人、フォロワー780人みたいな感じで、少しだけフォロワーが多かった。さして有名人でもないのにありがたいことで、僕のつぶやきなんて「女子高生が目の前で泣いてるなう」とかそういうレベルなのに。南無南無。
Twitterは当時、本当に面白かった。いろいろな人とつながれた。
結構はじめたのは早かったと思うけど、その頃iPhoneにしたこともあって、四六時中(移動中なんてとくに)みんなのつぶやきを追い、自らも一日に10回はツイートしていた。仕事が終わっても仕事中見れなかった誰かのつぶやきを追ったりしていた。
追えなくなったのはフォローが500人を超えたあたりから。大量につぶやく人を抱えたこともあり(抱えるって。笑)、追い切れなくなっていった。最初は一生懸命グループ化しようと画策したけど、むしろ500人をグループ化することの方が面倒で。

F人生がはじまったのは2011年1月のユナイテッドステイツ。
10年ぶりにキャンパスに戻った僕は、アメリカ人学生の『携帯番号よりも先にFacebookのIDを聞く』という文化に戸惑いまくった。『いや、Fはやってないんだぜ、ベイベー』と答えると怪訝な顔までされた。
事実、結構仲の良かった連中がカナダはバンクーバーに小旅行したときも、企画はFacebookで立ち上がり、そのまま実行され、写真すら僕には共有されなかった。断じてイジメに遭っていたとか、ハブにされたとか、東洋人差別を受けたのではない。(と信じたい)純粋にFワールドに身を置かなかったからだ。

それから僕の帰国を追うようにFacebookが日本で流行しはじめる。
あれだけmixiTwitterで『実名は不気味!恐怖!』と盛り上がっていたはずの僕たちがあっさりと本名を晒し、悠然と職場や学歴を暴露し、人によっては『私は誰々と交際しています』とまで告白した。(おい、足跡機能はどうしたんだ!!)
僕はアメリカにいた時、『これは日本では流行らないと思う。赤裸々すぎる』というようなことを吹聴したが、今となっては謝罪しなければならない。まさにパンデミックだった。

これは非常に日本人らしくて僕はとても好きなのだけど、多くの人が『Facebookでつぶやく』というセンテンスを使う。まぁつぶやいてるからいいんだけど、これアメリカ人に言ったら面白いだろうな、と。よくよく考えるとおかしいでしょ?でもその状況に合わせてうまく組み合わせていくって日本人らしい。


とにかく、近頃では実感としてF派が増え、T派が減った。
同じ友人でもFには投稿するが、Tには投稿しない人が増えた。

理由は別に僕が決めることではないのだけど、なんとなく『承認欲求』と『信憑性』という極めて普通の生活の中で必要なことに関係があるんじゃないかと思う。

Tも当初はしょーもないことつぶやいて誰かにリツイートとかされると『あ、こんなくだらないことでも見てくれるんだ』と思ったりした。それが段々高校生くらいまでもがTに進出し、カオスと化した。今はもう2ちゃんねるみたいな感じになってきた。ただフォローしなきゃそういうことも起きないのだけどね。

震災のことも大きかったと思う。
いろいろな心ないデマ情報が流れに流れた。放射能のこと、次の地震のこと、これまで『情報ソース』なんて言わないのが楽しかったTなのに、急にソースを求める声が高まって、なんとなくだけど居づらさみたいなのを感じた。

その2つを見事カバーしたのが似て非なるFちゃんだったと思う。
『いいね!』を押せば親切にも「あなたの友達が『いいね』を押しました」と教えてくれる。これはつまり「あなたの発言はいつも誰かに承認されてますよ」ということに近く、ついつい「認められた」ようになるんだと思う。
情報ソースも知らない人の発言よりも、『誰々さんが言ってんだから本当だろ』と考えやすくなった。実際のソースの強度としてはさして変わらないと思うけど、『あの人は嘘はつかないだろう』と考えやすくなったのは事実で。

なんで俺こんなエントリーを書いてるんだろ。
どうでもいいんだけどな。ついつい。


あ、思い出した。これだわ。

先日、なんとなくがきっかけでTwitterのフォローを友人と、本当に興味のある発言をする人と、実際にやり取りしたことのある方に絞ってみたんです。(2日かかったっすよ、マジで。)そしたらね、なんとFacebookでの友達数とほとんど一致したんすよ。ちょっと驚きでした。

結論なんてないし、オチもないんだけど、自分がSNSで心地よいと感じる人数は500人くらいなんだろうなと。Twitterはフォロワーが増えれば楽しいし、Facebookはリアルな友達が増えればもっと楽しくなる。まぁでもそんくらいでもうお腹いっぱい。

結局はさ、どうやって自分を磨いていくかっていうことだと思うし、本当に大事なのは急に自分が死んだ時にいかに友達のみんなが葬式に参列してくれることだと思う。友達の数やフォロワーの数で計れることなんてほとんどない。

リアルを一生懸命生きるんだね。
それしかないんだねー。

がんばろ。