ゴールのその先のはじまりの物語。


(PARACUPの収益で小学校が建ちました!の図)


こんにちは。静かな日曜日です。
静かな日曜に記念碑的なポストをするのは嫌いではありません。

今日は僕が長らく(もうかれこれ8年くらいになりますね)関わっている『PARACUP』という素敵なマラソン大会について、『PARACUPのゴールって、普通のマラソン大会のゴールとは違うかもしれませんよ』ということをお話ししたいと思います。
「あー、名前聞いたことある!」という方はご一読いただければこれ幸い。

僕がPARACUPというチャリテリーマラソン大会を知ったのは、start to [ ] のメンバーでもあり、大学時代からの盟友である笠原広雄から「ちょっとヤバい大人たちがいた!」と興奮気味に電話をもらったのがはじまりです。
当時25歳くらいだった僕は(まぁ今もあまり変わりませんが)「はじめまして!」とニコニコしながらひょいひょい知らない人たちの輪の中に入り込んで行きました。今思うと、これこそが神様が僕に与えてくれたギフトなのかもしれません。

当時の僕は学生時代に仲間と立ち上げた小さなNGOを運営していて、100人くらいの会員組織を持っていて安定稼働はしていたのだけれど、なんかこうもっと楽しいことしてお金(支援金)を稼ぎたいよね、と模索しまくっていた時期でした。会員制ピクニッククラブを本気でつくろうなんてことも構想してました。(あれはいったいなんだったんだろう!笑)

そこにPARACUPがどーんと現れた。

当時はPARASAIYOタガログ語でfor youの意)という名のエンタメチャリティー集団が母体となって運営していて、この人たちが抜群に面白かった(この面白い人たちの話もいつかどこかで)。もう十分に大人ではありましたが、その後の人生に多大なる影響を与えたと言っても過言ではありません。

『僕たち1,000人規模のマラソン大会やって、収益は全部フィリピンに持っていきまーす!イェーイ!』みたいなノリで、ものすごい速度で、ものすごく真剣に作りあげていく様子は本当に凄まじく、あの時間に立ち会えたことは本当に幸せだったなぁと思います。半年間テンションがまったく下がらず、朝4時に電話が鳴って「今ちょっと時間ある?」、「(寝てたんすけど…)大丈夫っす!」みたいな。笑
大会規模も1,000人、2,000人、3,000人と、ランニングブームや東京マラソンのはじまりなどの世間的な後押しもあって、あっという間に増えていき、今では6,000人規模の大会となりました。
ちなみに10年間で約30,000人の方が走ってくださり、寄付総額は約6,000万円となりました。僕としてはこれってなかなか素敵なことじゃないかと思うわけです。

それから時が経ち、フィリピンの孤児院だけでなく、バングラデシュの小学校設立やカンボジアでの児童売春防止、ウガンダケニアでのエイズ孤児教育支援など「世界の子どもたち」に贈る大会を目指すこととなり、2010年にPARASAIYOからスピンオフする形で一般社団法人PARACUPを立ち上げました。(僕はちなみにPARASAIYOのメンバーでもあります!)


***


話を戻しますね。
PARACUPのゴールは普通のマラソン大会のゴールとは少し違う、って話です。

ラソンのゴールは本当に美しいものです。
リクルート社さん(言っちゃった!)がお作りになられたCMで「誰だ、人生をマラソンだなんて言ったやつ」なんてフレーズがありますが、『俺だよ!』と言いたくなるくらいに僕は「マラソンは本当に人生のようである」と感じます。(感性は人それぞれですね)

PARACUPのゴールは、実はゴールではありません。
もちろん、ランナーの皆さんにとってはゴールですし、大会もその日に終わるのですが、そこから続いていく物語があります。ゴールは、その物語のはじまりでもあります。

1回の大会で約1,000万円がチャリティーとなるわけですが(参加者の皆さん、本当にありがとうございます)、その収益が共催団体であるNPONGOに分配されて、それが共催団体を通じて世界の子どもたちに届いていきます。

僕らstart to [ ] は、PARACUPからの収益をもってバングラデシュに小学校を建てまして、今現在、約200人の子どもたちが小学校に通っています。小学校の建物は約150万円、小学校の年間運営費は約80万円です(運営費は現地パートナーと50:50で折半してます)。

それだけ聞くと、「へー、そうなんだー」だと思いますが、PARACUPがあったから、学校に通えなかった子どもたち200人が学校に通うことができるようになりました。
これからの未来に目を向けると、『PARACUPがあったから学校に通うことができた!』という子どもはどんどん増えていくことになります。

村の大人たちの大半は読み書きができませんが、自分たちの子どもが1年生から字を書いたり、読んだりする姿を見て、大人たちが「我々も勉強したい!」と言うようになり、今では小学校の建物を利用して、夜に「大人の識字教室」まで開催しています。
字が書ければ、サインができて銀行口座を持つことができます。字が読めれば、新聞に触れて世の中が広いことを子どもたちに伝えることができます。
何より、大人が「知る楽しさを知る」ことで、子どもにはもっともっとその体験をしてもらいたい!と切に願うようになります。

大人の識字教室に通って『自分にもできる!』と自信を付けた若者が、若者のコミュニティーをつくりました。日本の『講』のような相互扶助組織をつくって、農業を一歩前に進めるのだそうです。もしかしたら、大きな機械を購入して、2次産業にも乗り出せるかもしれません。

これって、ものすごいことだと思うのです。
ひとつの契機からいろいろなことがはじまっていくあの感じは、言葉にできません。
「すごい」としか形容できない自分の愚かさを呪いたいけど、本当にすごい。
そして、やはりPARACUPは契機となり得る。

チャリティーラソン大会に参加するだけで、ゴールのその先にある物語のはじまりに、大なり小なり関与できるということは、なかなかに素敵なことだなと思うのです。
PARACUPの共催団体の数だけ、こういった『ゴールのその先のはじまりの物語』があるんだと思うと、それだけでワクワクするし、ウキウキします。いいね!ボタンがあったら百万回押したくなります。
(※もちろん、各共催団体はPARACUPからの収益だけで成り立っているわけではございませんので、あしからず!)


***


ラソン大会にはランナーの皆さんは欠かせません。記録を狙う人、はじめてハーマラソンに挑戦する人、いつもPARACUPを走ってくださりありがとうございます。はじめて走る方、数ある大会の中からPARACUPを選んでくださりありがとうございます。
皆さんの挑戦のその先で、別の挑戦をしている子どもたちがいることを、ゴールの時にふっと思い出してもらえたら、僕としてはとても幸せです。

PARACUPは、500名以上のボランティアによって支えられています。
ボランティアでご参加くださる皆さん、本当にありがとうございます。拍手喝采
『ゴールのその先のはじまりの物語』を見に、僕とバングラデシュ行きません?笑

協賛社の皆様、共催団体の皆様、行政の皆様、運営をお手伝いくださる関連会社の皆様、応援に来てくださるご家族やご友人やご恋人(笑)の皆様、周辺住民の皆様。
皆様方のご協力とご理解があって、大会が成り立っています。本当にいつもありがとうございます。いつか子どもたちにも『周りの人の協力なくして物語ははじまらない』ということを伝えることができたらいいなと思っています。

そして、事務局の皆さん。
ほんとお疲れっすーーーーー!!!!!!!!!!!
『祖先』と呼ばれる僕のことなんか知らない人もたくさんいると思いますが、いつも遠くから頑張っている姿を拝見しております。当日の打ち上げで、またおいしいビールを浴びましょう。

『もがけばもがくほど、誰かに届くものがある』。

僕がその昔PARACUPの運営統括をやっている時に誰かからかけられて言葉を(誰だか忘れちった!笑)、今こそ皆さんにお送りします。


長くなりました。(すみません)
4月6日(日)に開催されるPARACUP2014、僕らにとって10回目のPARACUPは、いよいよあと10日で締切となるようです(既に締切った種目もあります。ご勘弁を)。

まだお申し込みされていない方や『走れるか不安…』という方は、まずお申し込みくださいませ。踏み出してみてはじまることもございます。笑

お申し込みはコチラから!

ということで、日曜日をはじめます。
またね。