うまれてはじめてデモに参加した話。


(2012年6月29日(金)首相官邸前の群衆)


うまれてはじめて「デモ」というものに参加してきました。
そうです、『大飯原発再稼働に伴う反対運動デモ』です。

この問題について『何かしたい』とずっと思ってました。奈良美智さんの『No! Nuke!』の絵が出回った頃から、より具体的に『何かしたい』という想いが強くなりました。

正直なところ、大飯原発再稼働には反対だけど、じゃあおまえその代替エネルギーどうすんの?ってところまで責任もって考えられていない。単純にやっぱり安全性にあれだけ問題が山積している“原子力”を再稼働ってのが解せなかったし、本当に代替エネルギーの議論が終ったように思えなかったので、とりあえず行ってみることに。本当にそのくらいの気持ち。(些細な想いで参加すんなよ!というご批判も聞こえてきそう)


会社を出たのは夕暮れのきれいな18:45。
『国会議事堂駅側は比較的すぐに群衆に入れるぜ!』というツイートを見て、国会議事堂駅を目指すことに。駅に着いた時の高揚感は、うまく言い表せない。
アメリカにいた当時に、ジャスミン革命の瞬間を同時中継で見ていたこともあり、民意が動かせる政治があるのだ!というその時の強い思い込みもあって、言い知れない高揚感があった。今にして思うとその高揚の仕方はとっても恥ずかしいのだけど。

実際に着いてみると、熱気はすごいし、歩道だけでなく路上に溢れんばかりの人が大挙していて、『これはすごいことが起こっている!』ということは肌感をもって体感した。今振り返ると、結構これで今回の目的は果たしてしまったのかもしれない。
デモそのものは、主催者側が発表している20万人という感じでもなく、報道で発表されているような1万人ちょっとという感じでもなく、数万人がいいところかなという感じ。でもやっぱりメディアの力なしに数万人が首相官邸前に大挙するというのはそれなりのことではあると思う。

逆に、これは誤解を恐れずに発言するのだけど、『すごい人だ…!』という気持ちと『げーんぱーつはーんたーい!』という単純なシュプレヒコールに『居心地が悪い…』という気持ちが入り交じって、結局手持ち無沙汰だからiPhone片手に写真を撮りまくる、という状態に至ったのも事実。

デモの先頭まで行ってみると、案の定、『なんとか学連』なんていうどギツイフォントの横断幕を天高く掲げ、全員グラサンにマスク(にださいTシャツにダボダボのズボン)という奇妙な集団がいくつもある。このあたりの人々をみると、一般人と称される僕なんかはどうも居ずらさを感じることになり、とても残念。

デモが『国際協力』や『ボランティア』のようにオシャレになるのはもう少し先のような気がします。

ただですね。
やっぱり行ってよかったという気持ちが強くあります。後日いろいろな方のブログを読んでいて、『デモはそもそも思想なきアクションである』というような記事を読んで、確かになと思うところはあるわけです。
で、それと合わせて、もうひとつ僕が思うのは『行ってない人が行った人をとやかく言うな』ということと『行った人が行ってない人をとやかく言うな』ということです。

このデモから数日後に理系出身者数人と飲む機会があったのですが、理系の方はとても論理的に反対してくれます。僕はきちんと代替エネルギーのことを調べたわけではないので、論理的に反論できませんでした。波力エネルギーのことはよく知っているけど、じゃあどの程度原発と比べられるのか、とか。

だから、代替エネルギーをちょっと勉強しようと思います。
んで、また必要だと思えば、あの熱気の中にロジカルに身を投じたいと思います。

一度、参加してみるといいですよ。四の五の言わずにね。